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勇者は内なる敵を打ち負かすべきである







『ウッタラジャーヤー』(抄) 第2章 苦難 2・10より

そして、大牟尼は虻や蚊に悩まされても平然としていなければならない。戦いの先頭において像が敵を打ち負かすように、勇者は内なる敵を打ち負かすべきである。 

 

 〈沈思黙考〉

勇者は内なる敵、すなわち自己の内に潜む真の敵を打ち負かすべきである。

〈応用・適用・活用〉

自分を苦しめている真の敵は、自己のうちに潜んでいるわけだからそれに打ち克って勝利者となるのだ、という教え。真の敵とは自己のうちに潜むカルマであり、そのカルマを発動させないようにするために
  • 反応しない
ことが肝要。外的刺激に反応しないように自己を育み教育するのだ。反応してしまうことで様々な言動や生理現象が発動し、そのことによって自己が毒されていく。本来はしなくてもよい言動や生理現象が発動し、それによってさらなる過ちや次の苦しみを引き起こしてしまう。
『第2章 苦難』では22の苦しみが挙げられている。
  1. 飢えの苦難
  2. 渇きの苦難
  3. 寒さの苦難
  4. 暑さの苦難
  5. 虻と化の苦難
  6. 無衣服の苦難
  7. 不快の苦難
  8. 婦人の苦難
  9. 徘徊の苦難
  10. 休息の苦難
  11. 寝台の苦難
  12. 悪口の苦難
  13. 殺害の苦難
  14. 乞食の苦難
  15. 無所得の苦難
  16. 病気の苦難
  17. 草に触る苦難
  18. 垢の苦難
  19. 恭敬と尊敬の苦難
  20. 智慧の苦難
  21. 無知の苦難
  22. 知見の苦難
内側から苦しみを引き起こす様々な外的刺激にさらされたときに、その機会を活用して
  • 自己観察する
のだ。
  • 反応してしまっている自分
  • その反応にみられる傾向
  • 「次は反応すまい!」と決起する
ようにするのだ。そして、
無知を生み出す業(カルマン)がなされた後で実を結ぶように、業(カルマン)の果報を知って、自己を安楽にすべきである(2・41)
とあるように、自己をリラックスさせるのだ。そうやって反応しない自己を育み自己教化していくのだ。だからこそ、
  • 瞑想していこう!
  • 深く深くリラックスさせていこう(カーヨーッツアルガ)!
  • 執着を放棄していこう!





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